今日紹介する本は「ソフトウェアの世界でキャリアを築く Making it Big in Software 」です。ソフトウェア業界に特に重点をおいて、いかにして自分の望むキャリアを築いていくかについて述べられています。
原著は「Making it Big in Software: Get the Job. Work the Org. Become Great.」です。
原著の題名を直訳すると「ソフトウェア業界で成功する: 仕事を得る。組織で働く。偉大になる。」でしょうか。
本書では、ソフトウェア業界の錚々たる著名人のインタビューが採録されています。
所属は、本書の執筆時点のものなので変わっている方もいるかも知れませんが、彼らの功績を示すには十分でしょう。
非常に私自身の実感とピッタリ一致していて納得したのが、「マネーを追えば自然と正しい道を歩む」の部分です。
原著は「Making it Big in Software: Get the Job. Work the Org. Become Great.」です。
原著の題名を直訳すると「ソフトウェア業界で成功する: 仕事を得る。組織で働く。偉大になる。」でしょうか。
本書では、ソフトウェア業界の錚々たる著名人のインタビューが採録されています。
所属は、本書の執筆時点のものなので変わっている方もいるかも知れませんが、彼らの功績を示すには十分でしょう。
- Jon Bentley (『珠玉のプログラミング著者』)
- Marissa Mayer (Google副社長、Google初期メンバーの20人目、元Yahoo CEO)
- Bjarne Stroustrup (C++の考案者 )
- Richard Stallman (フリーソフトウェア運動の創始者)
- Ray Tomlinson (電子メールシステムの発明者)
- Peter Norvig (2002~2005年の間のGoogleの検索サービスの総責任者)
- John Schwarz (IBM, Symantec社の要職を歴任、 Business Objects社 CEO)
- Linus Torvalds (Linuxの生みの親)
- Mark Russinovich (Windowsのグル、Microsoftテクニカルフェロー)
- David Vaskevitch (Microsoft社 CTO)
- Grady Booch (UMLを生み出した一人)
- Tom Malloy (Adobe社チーフソフトウェアアーキテクト)
- James Gosling (Javaの考案者)
- Robert Kahn (インターネットの共同発明者)
- Steeve Wozniak (Appleコンピューターの発明者・Apple社の共同創設者)
- Marc Benioff (Salesfoce.com社CEO)
- Diane Greene (VMWare社の共同創業者、元CEO)
これだけの方々のインタビューが掲載されていますが、もちろん本書は、ただのインタビューの寄せ集めではありません!インタビューはあくまで付録程度ですが、かなり読み応えあります。本書は章立てもしっかりしており、各章の内容も深く掘り下げて書かれています。
いくつか私の気になった部分を引用していきます。本書で指摘されている「効果的なキャリアアップのための3つの法則」は、
一にコミュニケーション、
二にコミュニケーション、
三にもコミュニケーションである。
(125ページ)
だそうです。いやはや耳の痛い指摘です。やはり自分の成果を上手く伝える、顧客の欲しがっているものを上手く引き出す、チームのメンバーと協力して働く、などなど組織で働くためには、確かに業種にかかわらず「コミュニケーション」が大事ということですね。
非常に私自身の実感とピッタリ一致していて納得したのが、「マネーを追えば自然と正しい道を歩む」の部分です。
資金の使い方というのは一番正直で、真実をそのまま表す。会社が大事に考えていること、さらには市場が期待していることを物語る。高給取りの社員を見れば、会社が重きを置く価値や人物像が分かる。投資額が多いR&Dプロジェクトは、収益可能性が高いと見込まれている証拠でもある。会社の方針は、言葉よりも、実際の「ヒト」「カネ」「モノ」の動きで重要度を推し量る方がよっぽど正確です。私もこの本を読んでから、良くも悪くも、色々と察するようになりました。
(320ページ)
本書では、上で私が取りあげた以外にも、学校と会社の違い、リーダーシップ、昇進、時間管理、プロジェクトマネジメント、ソフトウェアベンチャー起業、報酬制度などなど盛りだくさんの内容が紹介されています。ソフトウェア産業が最も発達しているアメリカ国内向けに書かれた本ではありますが、私は国にかかわらず普遍的な内容がほとんどだと思います。また一般的なキャリア指南書としても十分に通用する内容だと思います。訳もこなれていて大変読みやすいです。ソフトウェア業界のキャリア指南書としては、最高の部類に入ると思いますので、興味のある方は是非読んでみることをお勧めします。
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